5/15 不動産取引に掛かる「仲介手数料の支払い」に関して...
不動産取引に係わった者は、次の計算式で得た報酬額を上限として受け取れます。これには、宅地建物取引業法(宅建業法)が深く関わっています。
宅地建物取引業法によってその上限額が決められています。宅建業者以外が仲介手数料を請求するのは違法です。個人間売買などで売り手と買い手が直接取引を行った場合、仲介手数料は不要です。
契約時、印紙税も必要...
仲介手数料の計算方法(上限額)
・売買価格が200万円以下の場合…売買価格の5%+消費税
・売買価格が200万円超400万円以下の場合…売買価格の4%+2万円+消費税
・売買価格が400万円超の場合…売買価格の3%+6万円+消費税
5,500万円の取引では、一方から何と188万1,000円をゲット...
5,500万円の不動産売買が行われたときの仲介手数料の上限額は、次の式で求めます。
(5,500万円×0.03+6万円)×1.10=188万1,000円 となります。売主と買主が支払う計算方法は同じです。
売主と買主双方から受け取るのが理想形...
よって、1社の仲介業者が売主と買主の双方から仲介手数料を受け取ると、手間暇とデータ作成は同じですから、2倍の手数料を得ることになります。売主から買主探しを依頼された業者は、買主探しに目の色を変えるのも頷けることでしょう。
よって、邪な業者では「買主探しを自らの営業活動に限ってしまい、何カ月も日数を掛ける」不埒な者がいますから要注意です。
決まりは、上限額の計算式だけ...
なお、上記の計算式は上限額ですから、以下の金額でもOKです。しかし、私の知る限り、売買取引で「仲介手数料のディスカウト」を行っている業者を知りません。彼奴らはキッチリと請求して、当然のように受領します...。
仲介手数料の支払い時期・・・
もちろん、契約が成立した後に支払いを行うのです。売主や買主探しで労多く、費用が掛かっていても「不動産売買契約が成立」していない状態では、当事者へこれを請求するなどできません。よって、不動産広告を見て、当該物件を内覧しただけでは請求等されません。
取引が何の支障もなくスムーズに進めば万事OKなのですが、① 契約締結後に「住宅ローン特約」の効力が効いて本契約が流れた場合。② 売主もしくは買主が、手付金の倍返しもしくは手付金流しを行って本契約が流れた場合。③ 10%の違約金を支払って本契約が流れた場合。これらの場合はチト厄介です。何故なら、契約書に「・・・解除することが出来る」となっている場合、不動産売買契約は一度は成立しているからです。
法律論はさて置いて、契約前に仲介業者へ確認要...
個別のケースがあるので、言い難いですが、皆さん方はそれぞれのケースで確認しておくことがベターです。特に、住宅ローンの融資不可で泣く泣く購入できなかった事例が一番多いので、これだけでも確認しておきましょう。
支払約定書に署名と押印する...
ここに記載している「特記事項」は、① 住宅ローン特約による契約解除の場合は仲介手数料は不要であること。② その他「特約」で定めた解除以外、及び停止条件不成就による解除以外の売主・買主の自己都合解除の場合は仲介手数料は必要であること。③ 落雷や地震、隣家からの貰い火等、売主・買主の責に帰すべらざる事由で対象家屋が逸失や毀損した契約解除の場合は仲介手数料は不要であること。以上を明記しています。
更に、印紙代を節約する為に「仲介業者は領収書を発行しません。」とまで、言い切っています。マネーに執着するしっかり者ですから、我々も気を締めて向かう必要があります。
本契約の場合は...
今回の不動産取引の場合、私は仲介業者から「月末までに仲介手数料の半金を振り込みいただきたい」旨の請求書を受領しています。解除した場合の「仲介手数料の支払い有無に関して」議論を差し控えました。上記の特約を暗に承知したのです。
なお、上記の「支払約定書」は、国土交通省が定めた「標準媒介契約約款に基づく契約」となっているとのことです。
ついつい、人情をかけてしまいました・・・
何故なら、思いのほか担当者が動いてくれたことです。
① 今回、住宅ローン特約を利用していないこと。
② 手付放棄の契約解除や自己都合による契約解除は想定外であること。
③ 物件購入の値引き交渉に際して、仲介業者は当方の立場を理解し尽力したこと。
④ シロアリ検査を専門業者を入れて実施したこと(誰の費用負担か承知せず)。
⑤ 雨漏り検査を専門業者を入れて実施したこと(誰の費用負担か承知せず)。
⑥ 測量業者を入れて「土地の仮測量」を実施したこと(誰の費用負担か承知せず)。
これらのことで、契約締結後の解除に関しては、全面的に「仲介手数料支払いを承知」したのです。自宅購入は3度目ですが、投資不動産は幾度となくあります。その際の業者手際よさと比べても今回は特記ものです。
編集後記
不動産売買で仲介手数料の支払いは必要経費ですから承知しないといけません。ゼロ円では誰も動いてくれないのです。
これに類するもので、『部屋づけ』に際しても仲介手数料が発生します。具体的には賃貸住宅を持っている方が、賃借人を業者に見つけてもらうと支払う手数料の事です。入居者も支払いを強制されると思います。この場合は、『家賃×0.5ヵ月分×消費税』が基本ですが、実は・・・。
賃貸の場合は、貸主と借主が支払う仲介手数料の『合計』について、月額家賃1カ月分+消費税が上限と決められています。
貸主と借主のそれぞれが支払う仲介手数料は、「当該依頼者の承諾を得ている場合」は、貸主または借主のどちらか片方から、不動産会社は「月額家賃の1倍+消費税」までの仲介手数料を受け取ることが可能と定められています。管理費などは無視、あくまで「家賃」です。
極論すれば、借主から「月額家賃の1倍+消費税」を分捕れば、貸主は仲介手数料がゼロ円なのです。が、しかし、この場合、仲介業者は「広告料 = 月額家賃の1~2倍+消費税」を下さいと露骨に言いますから...。
大金が蠢く不動産世界では、仲介手数料など「はした金」です。しかし、「塵も積もれば山となる」の譬えとおり、コツコツ積み立てが成功者になる秘訣です。
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